酒というと日本酒のことを指す。
日本人だからだろう。
サケというが、ササ(酒々)とも言う。
「笹には虎」ということで、酔っ払いをトラと言う。
酷く酔えば大トラで、そういう人を留置するブタ箱をトラ箱などと言ったりする。
元々日本の酒はどぶろくだったのだが、それを澄ます技術が見つかって清酒が主流となった。
蒸留酒のようなドライなスピリッツではなく、ワインと同じ醸造酒である。
ワインと同様に高い温度に曝してはならない。
だが、ワインとは逆に造りたて絞りたての方が美味い。
樽で置いておくものもあるが、別の種類の酒に思える。
もちろん、低温に置かないと変質する。
畳と女房と日本酒は新しいものが良い。
日本酒には日本酒度というのがある。
15℃の状態で4℃の蒸留水と比べて重いか軽いかによる指標で、+で辛く、-で甘い傾向がある。
正確に甘いか辛口かを表すのは甘辛度の方だ。
あまり甘いものより辛めの方が好みである。
作り方で色々なものがあるのだが、純米酒、吟醸、大吟醸以外は飲まない。
まあ、吟醸・大吟醸など普段は飲めるはずもなく、純米酒以外の選択肢はないのだが。
純米酒はその名の通り、米と米麹だけで作られた酒である。
そうでないものでは酸味料・甘味料・醸造用アルコールなどが添加されているのだ。
旨いと思う人は飲んでかまわない。
果汁100%ジュースが純米酒なら、果汁が少ないのがその他の添加物入り日本酒というところだろう。
美味い酒というのをどう表現するか考えていた。
実際にそういう酒を飲むと気づくものだ。
飲んだのは久しぶりの大吟醸である。
大吟醸というのは精米歩合が50%以上のものを言う。
結婚式の引き出物として貰ったものだし、その酒蔵に勤めている者の引き出物なのからだから悪いものであるはずはない。
普段飲んでいるのは最低クラスの純米酒だ。
比べる可もない。
どんぐりと東京スカイツリーくらい違う。
どう美味いかは、飲めば分かる。
カミサンはその大吟醸を気に入らなかった。
僥倖である。
全部私のものとなった。
少し別の話になるが、ご飯というのは美味いかそうでないか、誰でも分かるだろう。
好みによって、硬め・柔らかめはあるが、色々な米を好みに炊いたと思って欲しい。
美味いご飯はそれだけで美味いし、ご飯だけで食べられるのだ。
何がしかの料理があれば更に美味い。
ご飯に会う料理というと、ほとんど酒の肴と同じになる。
その辺りはワインとは随分と違うのだ。
酒というのは米と水の味である。
ただし純米酒は、だが。
分かったことは、美味い酒はそれだけで飲めるということなのだ。
肴があれば更に善し。
ずっと昔、そういう酒に会ったことを思い出す。
評価は色々とあるだろうが、確かに酒だけを飲めた。
日本酒はほとんど飲んだことのない二十歳になってそれほど経たない頃のことである。
それは越の寒梅だった。
新潟は酒処である。
米処だからかもしれない。
良い酒が沢山ある。
私の生まれ故郷の柏崎には原酒造というところがある。
越の誉を造っている。
中越沖地震で大被害を受け、復興してきた。
頑張って酒を造っている。
頑張っている人たちが造った酒が不味いはずはない。
飲んだのは、その原酒造の越の誉・純米大吟醸だったのである。
美味い酒と、美味い肴があればどんなに幸せなことだろうか。
もちろん、肴がいらないほど美味い酒なら、更に幸せである。
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