豚肉を喰らう

酒池肉林という言葉がある。 

酒の池に、肉の林だ。 

この肉とはおそらく羊肉ではなかっただろうか。 

群れや美しい、羹(あつもの)など羊は漢字によく出てくる。 

餃子も本来の肉は羊らしい。 

 

今風にするなら、生ビールにジンギスカンといったところだろうか。 

かなり規模は小さいが。 

 

日本では肉食というのは避けられていた。 

鳥は食べていて、雉や鴨はご馳走だったと思う。 

4本足の動物を食べなかったのだが、それでも薬食い(くすりぐい)として食べることもあったようだ。 

楊貴妃は 綺麗な顔で 豚を食い」というくらい、嫌われていたようである。 

 

文明開化以降は180度の方向転換。 

こういうのは日本は得意で、鬼畜米英が、終戦した途端大好き米英になったりするのである。 

この気質が戦後復興に奏功したのかもしれない。 

他の国では、終戦してもゲリラだテロだとなったりもするのだから。 

 

ともあれ、肉を喰うようになった。 

羊はあまり食べないが、牛・豚はなくてはならないようになっている。 

昔は牛肉が高級、豚肉が格下という意識があったが、今はあまり差がないかもしれない。 

 

牛肉も好きだし、鶏肉も好きだが、一番好きなのは豚肉かもしれない。 

豚肉を食べるとなると、双璧となるのが「とんかつ」と「しょうが焼き」だろう。 

角煮、ポークソテー、酢豚、とん汁などもあるが、このふたつにはかなわない。 

 

しょうが焼きはそれ以外に変化しようもないが、とんかつは更に料理される。 

そのまま食べる、カツ丼にして食べる、カレーに載せて食べるなど大活躍をする。 

 

 

しょうが焼きにしろとんかつにしろ、どの部位を使うか、これも問題だ。 

ロースはその名の通り、ロースト、つまり焼くのに良い部分である。 

 

豚の顔側の上側から名称を見ると・・・ 

かた、かたロース、ロース、(その中にある)ヒレ 

 

お腹側が・・・ 

ばら、(骨付きのものを)スペアリブ 

 

腿は・・・ 

もも、そともも 

 

沖縄では豚を良く食べ、顔皮(ちらがー)、耳皮(みみがー)、豚足(あしてぃびち)、内臓(なかみ)などは沖縄方言でも有名。 

 

 

しょうが焼きにはロースもいいが、かたロースやばらもいいし、とんかつにはロース・かたロース・ヒレなどがいい。 

スーパーの惣菜などのひれかつは薄いが、塊のごろんとしたひれかつがいい。 

他の部位は、他の料理に向いているだろう。 

「ばら」はばらばらというのではなく、「あばら」のことである。 

 

とんかつをそのまま食べるのは好きに食べればいいが、かつ丼となるとどういうイメージだろうか。 

 

たまねぎの薄切りの上にいくつかに切られたとんかつが載り、それを玉子でとじてある。 

その上にはグリーンピースかみつば、海苔の千切りがあったりする。 

それが普通だと思う。 

 

新潟市に来て、最初のとんかつは衝撃を受けた。 

薄めでロースとんかつより小ぶりなとんかつが3枚、ご飯の上に鎮座していた。 

それだけ。 

食べると出汁が染みていて、不味くはないが、ご飯と食べると水分が足りない。 

普通のかつ丼のイメージで頼んで、食べたのがこれである。 

ショックを受け、同僚などに後で聞いたものだ。 

すると、新潟ではそれがポピュラーなのだという。 

 

まだ、キャベツの千切りの上にとんかつが載って「かつ丼です」と言われた方が良かっただろう。 

ソースかつ丼である。 

 

とはいえ、玉子とじのかつ丼も、新潟市でもちゃんと存在している。 

外食で新潟式のかつ丼を食べたのは今までで1回か2回。 

普通のかつ丼は数え切れない。 

 

先日、新潟式のかつ丼を自宅で作ってみた。 

レシピをググると、何のことはない、出汁に砂糖・みりん・醤油で味付けしたものにくぐらすだけである。 

簡単といえば、こんなに簡単なかつ丼はないだろう。 

久しぶりに食べると美味かった。 


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