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キムチには2種類ある。
本格的な김치(キムチィ)と日本風のキムチだ。
日本風のキムチにハングル表記をしない取り決めになっている。
キムチというのは漬物全般のことのようである。
秀吉の朝鮮出兵、あるいは江戸時代の朝鮮通信使によって唐辛子が朝鮮に持ち込まれるまでは塩漬けだったらしい。
今ではキムチといえば唐辛子たっぷりの赤いイメージがあるが、ルキムチ(水キムチ)のように、唐辛子もにんにくも使わないキムチも残っている。
ここで作ろうというのは半分本格的なキムチだ。
どこが本格的ではなくすかというと、面倒なのでヤクニョム(薬念)を作らないからである。
何のことはない。
キムチ漬けの素を使うのだ。
キムチ漬けの元は、白菜などをそのまま漬けて、キムチにしてしまうものである。
それを、そのまま漬けない。
まず、白菜を塩漬けにする。
これはそのまま食べられる、普通の白菜の漬け物である。
つまり、そのまま食べることと、キムチにして食べることの両方をしようという次第。
既に漬かっていて、塩分もあるため、少量の素を混ぜるだけで良い。(コストパフォーマンスが良い)
混ぜる加減で、辛味の調節も可能だ。
その際に必ず細切りにして塩もみした大根などを加える。
ここがポイント。
他に、人参、せり、ニラなど入れたいものを入れても良い。
キムチ漬けの元で作っただけよりは、違った見栄え、違った味わいになるはずだ。
キムチの代表格は白菜だが、大根のカクテキもあるくらいだから、キムチ(の素)に合うのである。
好みで甘みを加えたり、日を置いて酸味を出してもいいだろう。
キムチ漬けの素だから、混ぜてすぐに食べられる(塩漬けが済んでいる)が、少し置いて馴染ませたのも良いし、(乳酸発酵して)酸味が出て熟れれば更に本格的な味に近づく。
キムチのいけないところは食べ過ぎることにある。
いくらでも飯が入る。
以前、韓国人留学生の寮生がうきうきしている日があった。
何事かと問うと「今日はキムチの日なんです」という。
何でも、キムチは大量に食べ、かつ飯も大量に食べるため、キムチは曜日を決めて出しているというのだ。
日本人でも食べ過ぎるのだから、韓国人がキムチ好きなのは当然だろう。
以来、キムチは韓国人のソールフードだと思っている。
おふくろの味かもしれない。
祖国を離れた留学生が楽しみにするのも頷けるというものだろう。
キムチ漬けの元で半分本格キムチ、いかがだろうか。
あさつきの語源にはいろいろあるようだ。
緑色になる前の薄い色(浅い)に使うからとか、にんにく(ヒルツキ)より辛味が薄い(浅い)とかだ。
酷いのになると、朝に市場に着くから朝着きだなどというものもある。
落語だろう。
あさつきは浅葱と書く。
だから「浅い」に拘っているのかもしれない。
浅葱はそのまま「あさぎ」で、浅葱色というのがある。
浅葱色だからあさつきなのかもしれない。
まあ、なら最初の浅葱色は何だということになって、卵が先か鶏が先かと同じことになってしまうのだが。
言葉から考えると、「つ」は接続詞で、「の」と同じようなものだろう。
「き」は「葱」のことだろうから、やはり「あさ」の意味が分からない。
なので、そういう考えを捨てる。
勝手に考えてみよう。
あさつきのどこを食すだろうか。
葉の部分を食すことを知ってびっくりしたことがある。
私にとってそこは食べる部分ではなかったからだ。
なぜかというと、あさつきを採って葉の部分で束ね吊るして干しておくからである。
カラカラに乾くので葉の部分は当然食べない。
私が食べるのは、球根の部分である。
ユリ科の植物なので球根がある。
その球根はノビルのようなまん丸ではなく、曲った形をしている。
三日月のようにである。
その球根は真白だ。
昔、「巨人の星」で太陽が昇ってきて振り返ると星空に月が浮かんでいるというシーンがあった。
ありえない。
太陽と月の両方が見えるのは普通にあるが、太陽が出ていて反対側は星空ということはない。
太陽が昇ったなら、白い月が見えるだけだろう。
というわけで、朝の白い三日月のようだから「朝月」というのはどうだろうか。
実(球根のこと)はつるっとしたものだが、食べるとかなり辛い。
味噌を付けて食すが、子供には食べられたものではないだろう。
ある飲み屋で注文したら、円錐状にした味噌に、何十個かのあさつきを突き刺して出てきたことがある。
面白いがちょっと乱暴かもしれない。
私の好みは、あさつき(実)をみそ漬けにしたものである。
なんのことはない。
あさつきを味噌で食し、余ったものをまとめて保存するだけである。
漬けておくと辛味が弱まり、食べやすくなり、ご飯にもよく合う。
新潟県に栃尾というところがある。
以前は市だったが、今は長岡市に合併している。
そこの名物に「とちお揚げ」というものがある。
油揚げと生揚げの中間のようなもので、普通の油揚げよりずっと大きい。
それに切れ込みを入れ、何かを挿んで食す。
納豆を入れる人も多いが、私は納豆があまり得意ではないので、たまにしか入れない。
私の好みは、甘目にしたネギ味噌である。
それを炙る。
油揚げは炙るとパリっとするが、それと同じことで、風味も増して旨くなる。
数センチ幅に切って食す。
削り節などを乗せると更に良い。
単に炙って削り節や刻みネギなどを乗せ、醤油を掛けただけでも良い。
まあ、大抵のものは醤油さえ掛ければ食べられるのだが。
この栃尾には「ほだれ酒」というものもある。
これは中身より入れ物に特徴があるのだが、そのためには「ほだれ祭」に触れないといけない。
ほだれは、穂垂れで、稲など穀物の穂が垂れるほど実ることを表したことばで、ほだれ祭はその実りの神の祭りである。
それが道祖神。
つまり男のアレなのだ。
ほだれ酒の入れ物というのも、ソレで、付属物たるものも付いている。
英語で言うと、バット&ボールズ(当然、複数形)だ。
面白いのは、その入れ物の蓋である。
さて、その形状の容器で、蓋となるとどこだと思われるだろうか。
当然、頭の部分である。
そこが外れる。
まあ見た方が早い。